Beranda / 恋愛 / 秘めた過去は甘酸っぱくて、誰にも言えない / 第一章 過去と現在が交差する17

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第一章 過去と現在が交差する17

Penulis: ひなの琴莉
last update Terakhir Diperbarui: 2025-01-09 17:09:44

「今日は楽しかったね。ありがと」

カラオケを終えて外に出ると、蒸し暑い夜だ。汗がじんわりと滲んでくる。もう深夜に近い。こんなに夜中まで遊んでいることを母に知られたら大激怒されるだろう。

「またねー」

小桃さんは、タクシーで帰っていく。

そんなにお金がない私は、家までここから二駅だから歩いて行くことにした。

携帯が鳴りバッグから取り出すと『紫藤大樹』の文字が浮かび上がっている。

外灯があって明るいとはいえ夜だから、携帯の明かりはすごく光って見えた。……いや、紫藤さんの名前だから特別に見えたのかもしれない。

なんとなく通話ボタンを押すのに躊躇する。先ほどの綺麗な女の人と一緒に居る光景を思い出して呼吸が苦しくなったのだ。

動揺しているのを隠して話せるだろうか……。だけど、電話に出ないのもおかしいので冷静を装って通話を開始する。

「もしもし」

『美羽。今どこ?』

「あーえっと……○○駅の近くです」

『一人?』

「はい」

『こんな時間に危ないだろう。さっきの友達は帰ったのか?』

……だ、大丈夫ですよ。大人だし」

まるで子供扱いされているようですごく嫌な気持ちになった。

『まだまだ子供だろうが。迎えに行く。待ってろ』

カラオケで私の存在に気がついていてくれたことは嬉しかったけど、一人の女性として見てほしい。

たしかに、さっき紫藤さんの隣にいた女性は美しくて大人なオーラ全開だったけど。私だって大人だ。

どうして紫藤さんの発する一言一言に、心がこんなに揺れるのだろう。

「一人で帰れます。……一人で、帰りたい……」

蚊が鳴くようなか細い声で言った。

けれど、夜中に一人で歩くのは心細いし誰かにそばに居てほしいって思っているのが本心。だけど、素直になれなかった。

『は? 何言ってんだよ。すぐ行けるから、○○駅の北口で待ってろ』

電話が切れてしまった。

その場から立ち去ってしまおうかと思ったけど、そんな勇気はなくて駅の北口の外で佇んでいた。最終電車がなくなった駅の周りは閑散としている。

怖そうなお兄さんが歩いていたり、酔っ払ったおじさんがフラフラしていたり。昼間と違って夜は治安が悪くなっている気がした。こんなところを小娘が一人で歩いていたら危ないに決まっている。

「美羽」

すぐに目の前に現れてくれた紫藤さんの姿を見ると泣きそうになる。でも弱みを見せたくないのでなるべく平常心のような表情をするように努めた。

「一人で帰りたいってどういうこと?」

でも、紫藤さんはちょっぴり怖い顔をしている。

「ちょっと疲れちゃって……」

「俺といると疲れるのか?」

「そういう意味じゃないんです」

「いつも俺が家に訪ねてくるのも、迷惑だと思ってんの?」

「そんなこと誰も言ってないです」

「どうしたんだよ。美羽らしくない」

さっきの女性はどこに行ったのですか?

そんな質問をしたいけれど、できない。喉の奥に引っかかって、苦しい。

「二駅か……。歩くか」

……」

歩き出した紫藤さんの後ろにトボトボとついていく。いつもみたいに元気に話しかけたいのに本領発揮できない。

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    ◆今日は美羽さんと、紫藤さんの結婚パーティーだ。レストランを借り切って親しい人だけを選んでパーティーをするらしく、そこに私を呼んでくれたのだ。ほとんど会ったことがないのにいつも優しくしてくれる美羽さん。忙しいのにメッセージを送るといつも暖かく返事をしてくれる。そんな彼女の大切な日に呼んでもらえたのが嬉しくてたまらなかった。私は薄い水色のドレスを着てレストランへと向かった。会場に到着して席に座ると、私の隣に赤坂さんが座った。「おう」「……こ、こんにちは」「なんでそんなに他人行儀なの?」ムッとした表情をされる。赤坂さんと結婚の約束をしたなんて信じられなくて、今でも夢かと思ってしまう。「なんだか……私たちも婚約しているなんて信じられなくて」「残念ながら本当だ」「残念なんかじゃないよ。すごく嬉しい」赤坂さんはにっこりと笑ってくれた。そしてテーブルの下で手をぎゅっと握ってくれる。誰かに見られたらどうしようと思いながらドキドキしつつも嬉しくて泣きそうだった。「少し待たせてしまうかもしれないけど俺たちももう少しだから頑張ろうな」「うん」大好きな気持ちが胸の中でどんどんと膨らんでいく。こんなに好きになっても大丈夫なのだろうか。小さな声で会話をしていると会場が暗くなった。そしてバイオリンの音楽が響いた。『新郎新婦の入場です』

  • 秘めた過去は甘酸っぱくて、誰にも言えない   完結編・・・第一章12

    「病弱でいつまで生きられるかわからなくて。私たち夫婦のかけがえのない娘だった。その娘を真剣に愛してくれる男性に出会えたのだから、光栄なことはだと思うわ」お母さんの言葉をお父さんは噛みしめるように聞いていた。そして座り直して真っ直ぐ赤坂さんを見つめた。「赤坂さん。うちの娘を幸せにしてやってください」私のためにお父さんが頭を深く深く下げてくれた。赤坂さんも背筋を正して頭を下げる。「わかりました。絶対に幸せにします」結婚を認めてくれたことが嬉しくて、私は耐えきれなくて涙があふれてくる。赤坂さんがそっとハンカチを手渡してくれた。「これから事務所の許可を得ます。その後に結婚ということになるので、今すぐには難しいかもしれませんが、見守ってくだされば幸いです」赤坂さんはこれから大変になっていく。私も同じ気持ちで彼を支えていかなければ。「わかりました。何かと大変だと思いますが私たちはあなたたちを応援します」お母さんがはっきりした口調で言ってくれた。「ありがとうございます」「さ、お茶でも飲んでゆっくりしててください。今日はお仕事ないんですか?」「はい」私も赤坂さんも安心して心から笑顔になることができた。家族になるために頑張ろう。

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